赤川から扇ヶ鼻・稲星山を経て南登山口周遊











九重登山のページ30



赤川登山口から扇ヶ鼻・御池・稲星山 



 5日前の岩井川岳往復だけでは物足りなかったので、休日出勤の振替休日の7月30日に、今度はかなりハードなコースに挑みました。
 3年前の2007年9月。そのときは赤川登山口から猪鹿狼寺本堂跡へトラバースし、七曲がりをへて稲星山から鳴子岳・白口岳・久住山を経て、赤川へ直下するコースを取りました。
 今回はその逆周りだが、同じルートでは芸がないので、赤川から5分登った分岐から左へ、つまり扇ヶ鼻へ向かいました。しかし、天気は小雨。予報では曇り時々晴れなのに...。上だけ雨具を着て登っていたら、またもやススキが原に突っ込む。前回の岩井川で懲りてますので、「ウーム、やむなし!」と雨具のズボンを途中ではくことになりました。
 扇ヶ鼻へは牧の戸から85分だったので、楽勝と考えていたところ、雨は降るし、雨具を着て蒸し暑いし、ススキでぬれるし、灌木は垂れ下がりうっとうしいし、で大変精神的にダメージを喰らいました。高度差のことをすっかり忘れてました。1時間50分の格闘の末、扇ヶ鼻到着。それまでの苦労に報いるようにきれいな花々が出迎えてくれました。
 扇ヶ鼻から先の、牧の戸からの尾根に出ると雨はやみましたが、結局到着するまで全くのガスの中。山頂を踏むことはとうにあきらめてました。御池を巻いて、池の小屋にて昼食をとっていると、風は強いのにホワイトアウトに近い状態になり、 ザレ場を降りて東千里が浜を突っ切って稲星と久住の分岐へ向かうのは危険と感じ、(もちろんここには誰もいなかった)安全な稲星山を越えてのルートに変更し、迷わず分岐へ降りてゆきました。
 神明水から七曲がりへのコースは利用者が少ないせいか、これまたススキが原で全く足下が見えません。南からの登り口も是非多くの人に利用してもらいたいものです。



今回のコース
赤川から扇ヶ鼻・稲星山周遊の地図


カシバードでのルート 
カシバードでの図 


2010年7月30日(金)  天候:小雨後曇り   気温23℃  稲星山山頂18℃  全行程6時間15分(休憩含む)

9:00 赤川登山口出発  − (5分) − 9:05 分岐 − (105分) − 10:50 扇ヶ鼻 撮影 −11:22 牧の戸方面・久住方面分岐 − (3分) − 11:25 尾根道分岐 − (25分) − 11:50 避難小屋 − (21分) − 12:11 御池 − (14分) − 12:25 池の小屋、 12:40 池の小屋発 − (25分) − 13:05 稲星山 − (10分) − 13:15 稲星・久住分岐(神明水) − (90分) − 14:45 猪鹿狼寺本堂跡 − (30分) − 15:15 登山口着


久住山赤川登山道(駐車場)  道の奥に見えるのが登山者用トイレ。その横に15〜20台駐められる駐車場がある。
ここから舗装路を少し上がると左方面に登山路が見える。これが久住山・扇ヶ鼻への道だ。
8時半現在駐車場は独り占め。なお、帰ってきたら4台車があった。 

(この写真は下山後なので路面が乾いている)
久住山・扇ヶ鼻分岐  登り始めて5分。まっすぐ行けば久住山。ここは左へ向かう。 
ススキの原っぱ  暗くしめった樹林帯に苦しめられ、30分ほどでこのようなススキの原っぱにでる。晴れていたら少しは気が晴れるだろうが...。 

この地点、添ヶつるというそうだ。
オカトラノオ  オカトラノオ 
シモツケソウ  シモツケソウ 
ヤマブキショウマ  ヤマブキショウマ 
ロープ場  傾斜がきつい扇ヶ鼻直下では岩場やこのようなロープのある場所が連続する。 
 急傾斜でママコナを撮って一休み 息を整えるためにママコナを撮る。
雨具が古い  この段階ではまだそれほどひどくない雨具。その後、(特に下山路の南登山路で)目を覆いたくなるほど泥だらけとなる。 
扇ヶ鼻山頂  扇ヶ鼻山頂1698m

ごらんの通りの有様で、ガスに煙ってました。誰もいません。 
 イブキトラノオ 扇ヶ鼻から久住山尾根道へ向かうと、イブキトラノオや様々な花の道が出迎えてくれた。沈鬱な気分が吹っ飛び、アドレナリンが放出される。写真を撮りながら思わずほほえみが出てきた。
さすがに花の山、扇ヶ鼻だ。
 
 野草園みたい ワレモコウやノハナショウブ 
 シモツケの群落 シモツケの群落 
サイヨウシャジン  サイヨウシャジン

これは山頂でなく8合目あたりの急登にて撮影 
イヨフウロ お目当てのイヨフウロが咲いていた。
分岐標識  扇ヶ鼻からザレ場を下り、ちょっと登るとこの分岐点につく(10分弱) 。
あたりは雲の中。
尾根道の分岐  さらに3分後。いつもの尾根道に到着。すると急に人の声が...。
なんと沢水キャンプ場に宿泊の子供たち(年長さんから小学校3年までの約30人)が休憩していた。その後、西千里が浜あたりまで一緒に登ったが、それまでがあまりに寂しい山旅だったので、大いに元気づけられました。子供たちの中には雨具なしの子もいて泥だらけでした。 
星生崎下  星生崎下の場所。ガスっていて黄色のペンキがありがたい。 
星生崎下  同じく 
避難小屋への下り ガスの中  避難小屋へ向かう下り坂。いつもだったら避難小屋が前方左手に見えるのに。 
中岳と久住山の分岐  久住分かれを過ぎ、尾根道の左側を歩いていると、中岳への分岐点につく。 
中岳と久住山の分岐  その場所。登る気が失せるでしょ! 
ピンクのノリウツギ ノリウツギも少しピンクのものがありきれいだ。ノリウツギも昔はミヤマキリシマの邪魔をするといって、よく切られていたのだが...。 とにかく、中岳へ向かう道の左斜面はノリウツギ林だ。
かすかに天狗への登りが見える  ほんのちょっとだけガスがきれて、御池と天狗ヶ城への登りが見えた。でもすぐにガスがふたをしてしまった。 
御池(みいけ)  御池 
御池(みいけ)  御池(右岸)
この右手から御池をトラバースした。 
御池東岸  トラバース最終地点。いわゆる御池の東端。中岳と池の小屋の分岐だ。
 
池の小屋  復活して初めて訪れる池の小屋だ。 
池の小屋正面  すぐにガスが立ちこめてきた。ここでは北西からの風が強かった。 
池の小屋内の周辺案内図  小屋の中の周辺案内図。これがあると助かるね。 
池の小屋内の神棚  その右手には神棚が...。思わず手を合わせる。 
登山道補修用資材  入口には木材が積み上げられていて、これは登山道補修用資材とのこと。ありがたいことです。 
稲星山の登り  池の小屋の先のザレ場を下り、やや左手へ向かうと、中岳・法華院・東千里が浜の分岐にくる。そこで、東千里が浜を行こうとしたら、草っぱらで道筋が全く分からない。ここで無理をすると道迷いとなる可能性があったので、急遽稲星山経由で行くことにする。
稲星の土は赤茶けていて乾燥している。 
観音様  稲星山山頂の通称ガメラ岩の下にまつられている観音様。お茶が置かれていた。
 
ガメラ岩  ガメラ岩の様子 
稲星山山頂 寒い!  山頂。1774m。風がものすごく強い。気温、なんと18℃。真夏です。下界は32℃です。
風は今度は南から猛烈に吹いている。 
稲星から久住山との分岐へ向かう  稲星から西に尾根道を降りていく。ところどころケルンが積んであり、慎重に歩けば道を失うことはない。 
南登山口への分岐  分岐に到着。標識が新しくなった。 
神明水  神明水付近
最初は楽だが、すぐに...。  上と同じ場所で、今から降りる南登山路を見る。ウグイスの声にせかされるように降りていく。 
ガスがきれてガンジーファームあたりが見える  ちょっとだけガスが切れかかってきたが、山頂はガスで見えない。 
ロープ場がある  これ、上から下を見たロープ場です。 
上と同じ場所で  同じ場所で。九重の南からの登山路は結構岩場が多い。岩場の多さでは一番は本山、二番は赤川から久住山への道かな。 
まっすぐ進むのだ!  これ、まっすぐ進むのが正しい登山路です。でもこのようにススキで道が見えません。 
振り返っても久住山は見えない  振り返ると、8合目あたりまで見えました。でも山の上は視界なしでしょう。本日はいくら粘ってもだめでしょう。 
もう少しで七曲がり  七曲がり間近かのススキの原 
くねくねした七曲がり 緑がきれい  七曲がりにくると、くねくね曲がってはいるが、美しい広葉樹林の森林浴が楽しめる。少し空が明るくなった。 
沢渡り  1合目あたりには2回沢を渡る箇所がある。これは1つめ(上にあるほう)。 
沢渡り  2つめの沢 
猪鹿狼寺本堂跡  沢を渡ると、あれっ!以前はスズタケで見えなかった猪鹿狼寺(いからじ)本堂跡の祠がすぐ右手に見えてきた。 
礎石  これは礎石のあとか?手水鉢にも見える。 
本堂跡の表示  なんと1193年に建立されたとは!1586年に島津軍の進入により焼け落ちたとのこと。今は南にかわいいお寺が再建されている。 
登山土を突っ切る林道  昔の石畳を降りていくと急に視界が開けた。そうか、林道開発か。 
これは上から下へ行きます  林道を横断すると、道は階段でつづいてました。 
南登山口へ行くとガンジーファームにつきます すぐにこの分岐につきました。いわゆる南登山口と右手に行けば赤川へのトラバース道の分岐です。 
上と同じ場所 その横にもこのような標識があります。 
ところで、右へすすむトラバース道ですが、最近手入れがされてないのか、スズタケが登山路の真ん中にどんどん生えてきてました。その他は今まで通りで歩きやすいのですがね。そうそう、高度差の関係で、こちらから赤川へ行くと結構登りがあるんです。
トラバース道の終点近く アサギマダラがいた 登山路から抜けると、コンクリートの林道です。素直に左手(降りるほう)に行きます。 
林道入口  分岐からちょうど30分で赤川の林道ゲート到着です。かなり膝にきました。 
林道入口 ここから左がこのページ最初の写真の場所  これがゲートを正面から撮ったところ。この門の左からするっと入れます。 



 ママコナとシモツケソウ 
シモツケソウ 
 
マツムシソウ 
マツムシソウ 

 ママコナ 
ママコナ 
 
マツムシソウ 
マツムシソウ 
 
フクオウソウ 
フクオウソウ 
 
ホソバシュロソウ 
ホソバシュロソウ 
 
ママコナ 
ママコナ 
 
ワレモコウ 
ワレモコウ 
 
チダケサシ
チダケサシ 
 
ワレモコウ 
ワレモコウ 
 
イヨフウロ 
イヨフウロ 
 
シモツケのつぼみ 
シモツケソウのつぼみ 
 
イヨフウロ 
イヨフウロ 
 
  曇り時々晴れの予報に裏切られ、がっくりして瀬の本の三愛レストハウスで仮眠をとったら、少しやる気が出てきました。早速、赤川荘手前の登山者専用駐車場に移動し、登山を開始すると「なんということでしょう(BEFORE & AFTER調)」雨が降り始めました。このコースでは久住山の尾根道をのぞいて、誰にも会いませんでした。静かな山旅です。
 それにしても、赤川からの扇ヶ鼻コースのきつさには驚きました。牧の戸からの比ではありません。高低差700mはきつい。上記のカシバードでの図を見たらそれも納得ですね。でも、扇ヶ鼻での花々は本当に私を待ってくれていたかのように美しかったですよ。
 本当は御池(みいけ)からは天狗ヶ城、中岳へと回りたかったのですが、完全にガスに包まれ登頂意欲を失ってしまいました。それにしても、扇ヶ鼻への登りといい、南登山道といい、登山者が少ないためススキに道が覆われ、本当に苦労しました。すばらしいコースなので、どうにかならないかと思ってしまいました。

 今回の用具で活躍したのが、Camelbak(モンベル)いわゆるハイドレーションシステムで歩きながらごくごくクエン酸飲料を飲んでました。もう一つ、最近はやりの水に浸すだけで首に巻くとひんやりするCoolscarf(Mr. Maxで300円)。今回は日差しは全くなかったのですが、それでも首筋の大きな動脈を直接冷やす優れものです。

 登山後はもちろん、赤川荘の温泉につかりましたが、この源泉は冷泉とのことで、20℃程度の冷たい源泉がほてった体を優しくいやしてくれました。(なお、加温した普通のお湯もあります)おかげで筋肉痛が少しは和らいだ気がします。(入浴料500円)  


 さて、次回は8月末、男池から大戸越経由で大船山。更に、風穴へ急降下して戻るコースです。
 
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